折戸が社労士試験に合格したのは平成19年。そもそも社労士資格を取ろうと思ったのは、自分自身がサラリーマンとして働いていたときに、採用、教育などの経験を通じて、人事労務の楽しさと難しさを知ったのがきっかけである。
折戸がお客様からの相談を受ける際に最も重要だと考えているのは「お客様の悩みを自分自身が抱えている問題と捉え、親身になって考えること」だと言う。労務管理の難しいところは、人と人とが関係していることなので、問題が出てきたときに明確な解答が無いところである。折戸は自分自身も従業員を雇う一経営者として、顧客の悩みを共感し、自分自身がその立場ならばどうするのがベストかという考えのもとアドバイスをすることを心掛けている。ときには中々考えが浮かばず、それが原因で眠れないときもあるそうだ。それでも、考えに考えた結果、顧客に満足してもらえる解答が出せたときが最もやりがいを感じられる瞬間だと言う。
折戸が労務管理で大事だと考えるのは、「100%ではなく80%経営者目線でアドバイスをすること」だと言う。通常は、100%経営者目線で!というフレーズをうたっているところが多いのに対して、折戸が80%経営者目線に留めているのは、「100%経営者目線で全てを経営者にとって有利にしてしまうと、働く側としてはすごく働きにくい環境になってしまうため、ときには働く側の意見も取り入れていくことが大切」だと言う。確かに、全てを経営者に有利してしまうと、経営者側には経費削減などのメリットがある一方で、働く側にはメリットがなく、その結果、優秀な人材が離職するなどの弊害が生じてくる。そのため、折戸は、経営者側の意見と働く側の意見を上手く取り入れて制度作りをしていくことを志している。
折戸は、税務と労務は、経営をしていくに当たって同じくらい重要だと言う。しかし、経営者の中には、税務対策は講じている一方で、労務対策を講じていないという方はまだまだ多い。「税務対策を一生懸命講じて例えば100万円の節税に繋がったとしても、労務対策をしていなかったため、未払残業代などを請求され、100万円を超える支払が必要になったら、せっかく講じた税務対策が台無しになってしまいますよね?」と折戸は言う。労務問題で従業員に支払わなければならない額は、時には事業を倒産させるほどの金額になることもあるようだ。また、「税務の問題は数字を扱うため、問題点が顕在化し易いのに対して、労務は問題が起こっていることすら知らずに気付いたときには手遅れというケースが少なくありません。病気でいうと労務問題というのは「癌」のようなものです。そのため、病気が手遅れになるのを防ぐために定期健診を受けるのと同じで、労務についても我々専門家の定期監査を受け、予防をすることが大切です。」と言う。

近年では、過労死、過労自殺、未払残業代などの労働問題がメディアで取り上げられることも多くなり、大企業のみならず、中小零細企業についても、ますますコンプライアンスが求められる時代になっている。このような時代の流れに取り残されることのないよう貴社の状況も一度見直してみてはいかがだろうか。
大手メーカー、飲食業界を経て平成19年に社会保険労務士試験に合格。その後、資格の専門学校にて講師業をしつつ社労士事務所にて実務を習得。2012年9月に折戸社会保険労務士事務所を設立し、2013年1月に現在の士業の総合事務所みなとパートナーズに参画し現在に至る。クリニックの開院支援、事業承継、紛争予防をはじめとする医療業界の労務管理を得意とする。
生年月日:昭和54年10月6日
趣味:ゴルフ、サッカー、フットサル